あいうべ体操について
徳力公団駅から徒歩7分、志井駅から徒歩8分にあるまつだミリー歯科の院長です。
小児矯正治療において、口周りの筋肉を正しく機能させることは、歯列や顎の成長のみならず、お子さまの健康全般に良い影響を与えると考えられています。そこで注目されるのが、口呼吸の改善や口周りの筋力アップを目的とした「あいうべ体操」です。あいうべ体操はとても簡単で、特別な道具を必要としないため、日常生活のちょっとした合間にも取り組みやすいのが特長です。今回はあいうべ体操が小児矯正治療にもたらすメリットや具体的なやり方、注意点などについてまとめました。
1.あいうべ体操とは
あいうべ体操は「口呼吸」から「鼻呼吸」へと改善するサポートを目的とした体操で、口周りの筋肉をしっかり動かして鍛えるエクササイズです。言葉のとおり「あ」「い」「う」「べ」と口を動かしますが、どのように開閉するかが重要なポイントとなります。この体操を習慣化することで、口周りの筋肉がバランスよく刺激されるだけでなく、鼻呼吸の定着を促し、歯並びや顎の発育にも良い影響を与えると考えられています。
2.口呼吸の問題点
(1)口の乾燥
口呼吸になると、口腔内の唾液量が減り、乾燥しやすくなります。唾液は歯を洗浄する作用や、細菌の繁殖を抑える抗菌作用などを持っていますが、乾燥することでその効果が低下し、虫歯や歯周病になりやすくなるといわれています。
(2)歯列・顎の発育への影響
お子さまが成長期に口呼吸を続けると、舌や口周りの筋肉のバランスが乱れやすくなり、歯並びや顎の発育にも影響を及ぼすことがあります。特に歯列矯正中の場合は、口呼吸が続くことで治療効果が十分に得られないこともあるため、適切な筋機能のサポートは欠かせません。
(3)集中力や体調への影響
口で呼吸すると、一度に取り込める空気の量が減り、酸素摂取量が低下する可能性があります。これは身体的パフォーマンスだけでなく、集中力や睡眠の質にも影響を及ぼすともいわれています。
3.あいうべ体操を行うことのメリット
(1)鼻呼吸の定着
あいうべ体操を続けることで、舌や口周りの筋肉が正しく機能し始め、自然と口ではなく鼻から呼吸をする「鼻呼吸」の習慣が身につきやすくなります。鼻呼吸は空気を通すときにホコリや細菌などの異物を除去し、温度や湿度を適切に調節する役割をもっています。
(2)歯並びや顎の発育への好影響
筋力アップによって唇をしっかり閉じる力がつき、舌が正しい位置におさまるようになると、歯や顎にもバランスの良い力が加わりやすくなります。歯列矯正中のお子さまにとっては、あいうべ体操を補助的に取り入れることで、矯正治療の効果をより高めることが期待できます。
(3)口腔機能の向上
唇や舌の筋肉がスムーズに働くと、食べ物をかむ、飲みこむ、発音するといった日常の口腔機能が向上します。特にお子さまの場合、成長期に口腔機能の問題を抱えたままだと、食生活や言語発達へ影響が及ぶ場合もあるため、早期に対処することが大切です。
4.あいうべ体操の具体的なやり方
あいうべ体操は、以下の4つの動きを連続して行うのが基本となります。ポイントは大げさに口を動かすことです。
- あ:口を大きく縦に開く
- い:口を横にしっかり広げる
- う:唇を前に突き出すようにすぼめる
- べ:舌を思い切り前に出し、下に伸ばす
これらの動作を1セットとして、1日に30回程度を目安に行うと良いとされています。一度にまとまった回数をこなすのが難しい場合は、朝・昼・夜など、少しずつ回数を分けて行っても構いません。また、お子さまが楽しく続けられるように、家族で一緒に行ったり、鏡を見ながら表情をチェックしたりするなどの工夫を取り入れてみてください。
5.あいうべ体操を行う際の注意点
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無理をしない
はじめから大きく口を動かすことが難しい場合は、無理をしない程度に少しずつ慣らしていきましょう。 -
口周りの疲れや痛みに配慮する
口周りの筋肉を集中的に使うため、慣れるまでは筋肉痛のような疲労感を覚えることもあります。痛みや違和感が強い場合は回数を減らすなど調整してください。 -
継続が大切
あいうべ体操は、続けることで効果が期待できるエクササイズです。1回や2回やってみてすぐに結果が出るわけではありませんので、日々の習慣として根気強く取り組むことがポイントです。
6.小児矯正治療とあいうべ体操の関係
小児矯正治療は、歯並びの改善だけでなく、正しい呼吸法や舌の位置、口周りの筋力を整えることが重要です。あいうべ体操を取り入れることで、お子さまが無意識に口呼吸になってしまうのを防ぎ、歯列や顎の正常な発育をサポートできます。さらに、矯正装置の効果をよりスムーズに引き出すことにもつながるため、歯科医院でも推奨されるケースがあります。
7.まとめ
あいうべ体操は一見地味な動作に思えるかもしれませんが、口周りの筋肉や舌の位置、呼吸習慣に良い影響を与える大切なエクササイズです。特にお子さまの口呼吸は、成長期にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があり、矯正治療への妨げにもなり得ます。あいうべ体操を日常に取り入れることで、鼻呼吸への移行をサポートし、歯並びや顎の正常な発育を促すだけでなく、口腔機能全般の向上も期待できるでしょう。
実際の小児矯正治療では、あいうべ体操だけでなく、お子さまに合わせた装置やブラッシング指導、食育など多面的なアプローチが大切です。まつだミリー歯科では、お子さま一人ひとりの状況に合わせて最適な治療計画を立て、必要なトレーニングや家庭での取り組みについても指導を行っています。もし小児矯正治療をご検討中であれば、ぜひ歯科医師にご相談のうえ、あいうべ体操を取り入れてみてください。お子さまの将来の口腔環境をより良くするためにも、正しい呼吸習慣づくりをサポートしていきましょう。また歯並びだけでなく口呼吸が気にっている保護者の方がいらっしゃればお気軽にご相談ください
まつだミリー歯科 院長 松田
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